新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の潜伏期間と濃厚接触者の判断基準を紹介
監修医師プロフィール
堤 直也
社会人経験の後、医学部学士入学を経て、医師となる。
国立病院機構等勤務のあと青い鳥会に勤務し現在に至る。
総合内科医、在宅医療の専門医として在宅医療の意味に真摯に向きあう。
世界規模のパンデミックとなり、現在も収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がここまで多くの人を苦しめ感染が拡大した理由のひとつに、潜伏期間が長く発症前にも感染力があるという特徴が影響しています。
ウイルス感染症の多くは症状が最も強く現れている時期が他者へウイルスを感染させる可能性が最も高い時期なのですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の場合は症状が出ていない潜伏期間、または軽症であっても比較的強い感染力があります。
この記事では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の潜伏期間と濃厚接触者について紹介していきます。
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目次
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の潜伏期間について
無症状や軽症でも感染させてしまうリスクがある…これが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の市中感染が広まりやすい原因であると考えられています。
危険性や感染力が周知の事実になっている昨今では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状が出ているのに外出するという方は限りなく少ないでしょう。
しかしながら無症状であれば、外出して他者と濃厚接触してしまっていても責められません。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の潜伏期間や感染させてしまう可能性のある期間について、以下の項目で詳しく説明していきます。
潜伏期間は1日~14日間
市中感染やクラスターなど、感染力が強いというイメージの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですが、潜伏期間中の無症状でも感染力があることが世界的なパンデミックになってしまった大きな原因のひとつです。
はい、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、発症していなくても感染力があります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が潜伏している無症状の人が外で飛沫を飛ばすことで、市中感染といった街中で感染を引き起こす原因になっているとも言われているんです。
そうなんですね…潜伏期間はどれくらいなんですか?
WHOの報告によれば、潜伏期間は1日から14日間で、多くの方は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染してから5日か6日程で症状を発症しています。
濃厚接触者や帰国された方が14日間隔離されるのは、この潜伏期間が理由ですか?
その通りです、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は14日間の間に症状を発症しなければ感染している可能性が限りなく低いので、この期間を隔離することで感染防止を行います。
他者に感染させてしまう期間
14日間の潜伏期間がある新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、発症していなくても感染力があることで知られています。
他者に感染させてしまう可能性が高い感染力の高い時期について説明していきましょう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2週間は気が抜けないんですね…潜伏期間中は常にウイルスを感染させてしまう可能性が高いんですか?
実は潜伏期間の中でも、感染力が高い時期と低い時期があります。
発症する2~3日前からウイルスの排出が始まり、発症直後が最も感染力が高いです。
発症してから8日を経過すると、感染力は大幅に低下するとされています。
発症する3日前からウイルスの排出が始まってるんですね…これが無症状で他者に感染させてしまう理由ですか?
その通りです、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は他のウイルス感染とは違い、発症前から感染力がありますので、無症状でも注意しなければいけないと言われているのは、これが理由になります。
発症前でも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が潜伏していて、感染させてしまう可能性があるなんて怖いですね…
これが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が止まらない原因とも言われています。
発症前から感染力があるということをひとりひとりが自覚し、日々の感染予防対策を行っていくことがとても大切です。
感染しても無症状の人の割合
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染しても無症状の人が多くいます。
しかし前述したように潜伏期間は14日間なので、無症状の人からもコロナは感染してしまうのです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の潜伏期間が14日間というのは分かったんですけど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しても発症しない人もいるんですよね?
はい、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染しても100%発症するわけではありません。
しかし前にも言ったように、潜伏期間中は発症していなくても感染力はあるんです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しても発症しない人って、どれ位の割合でいるんですか?
どれ位の人が感染しても無症状なのかは、まだはっきりとは分かっていません。
これまでの調査で30~50%の人が感染しても症状が発症しないと言われていますが、これもはっきりと確定したデータではないんです。
無症状じゃ検査とかもしないですもんね…症状が出ていない人から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をうつされたという人も多いんですか?
実はこれがとても多くて、WHOによれば新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者の40%の人が、無症状の感染者からうつされているとしています。
発症していない潜伏状態であっても、いかに感染力があるのかが非常に良く分かりますよね。
油断せずに気をつけないといけないですね。
感染者の無発症は年齢による違いとかはあるんですか?
若い人は発症しにくいって聞いたことがあるんですけど…。
まだまだ調査段階ではありますが、感染者の中で症状が出る方と出ない方の違いは年齢が大きく関係しているという見方が今は強いです。
各国の調査でも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した10代は80%が無症状で、70歳以上の高齢者は70%が発症しています。
重症化リスクが高齢者の方が高いというのは知っていると思いますが、きちんとデータにより実証されているんです。
重症者は潜伏期間が長い
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の潜伏期間は、重症者であればあるほど長くなるということが分かっています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症者ってどんな症状なんですか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初期症状は、風邪やインフルエンザと似ています。
重症者は発熱や咳などの症状が重く長く続き、下痢や嘔吐、意識障害が現れ、肺炎を発症してしまうケースもあります。
重症化しやすい人は、やっぱり高齢の方が多いんですか?
その通りです、重症化する多くの方は高齢者と持病を持っている方で、40代から少しずつ致死率が高くなり、30代までは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が原因で亡くなる方はほとんどいません。
軽症者と重症者の方は、どちらも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の潜伏期間は同じ14日間ですか?
いいえ、違います。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が重症であればあるほど、ウイルス潜伏期間は長いです。
3週間から4週間の間、ウイルスが排菌されているということも珍しいことではないんです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の濃厚接触者について
一般的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染経路は、飛沫感染か接触感染です。
上記項目で潜伏期間中は無症状でも感染リスクが高いことを説明してきましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染の可能性が最も高いのは、濃厚接触者です。
ここからは、濃厚接触者の定義や、濃厚接触者となった場合の注意点についてまとめて紹介していきます。
濃厚接触かどうかの判断基準
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は非常に感染力の高いウイルスなので、感染の可能性が高い濃厚接触者は14日間隔離されます。
濃厚接触者の定義って何かありますか?
濃厚接触かどうかを判断する上で最も重要な要素は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染が確認された人との“距離の近さ”と“時間の長さ”です。
要するに、感染が確認された人とどれ位の距離で会話をしていたか、その時間はどれ位だったのかが非常に重要です。
具体的にはどうなったら濃厚接触者になりますか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染が確認された人に必要な感染予防をせずに手で触れた、またはお互いに手が届く距離で15分以上の会話があった場合は、濃厚接触者となります。
お互いにマスクをしていても濃厚接触者になりますか?
濃厚接触者に該当するかどうかは、保健所が個別に調査を行い判断します。
感染が確認された方と15分以上会話をしていてもお互いにマスクをつけていたり、3密を回避している場所であれば感染リスクは大きく異なりますよね。
その時の状況、接触の程度などを相対的に判断して、濃厚接触者か否かは判断されるんです。
それじゃあ身近な人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染したとしても、すぐに自分が濃厚接触者に該当するというわけではないということですか?
はい、感染者から感染源や濃厚接触者の有無についてヒアリングを行い、保健所に濃厚接触者と判断された方には連絡がいきます。
しかし、保健所から連絡がこなくても自分が明らかに濃厚接触者だと判断できた場合は、自主的に14日間は外出を控えるなどの自制は必要です。
もしも濃厚接触者と判断されたら
万が一、身近な人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していることが確認され、自分が濃厚接触者と判断されてしまったらどうしたら良いのでしょうか。
濃厚接触者と判断された場合は、どうしたら良いですか?
保健所から連絡がきた場合は、指示に従って下さい。
感染しているかもしれないと不安になってしまうかもしれませんが、すぐに病院に駆け込んだりするのは感染拡大を助長する可能性が高いので危険です。
健康状態に注意しながら、14日間は不要不急の外出を控えるようにするというのが一般的な過ごし方です。
濃厚接触者と判断されたら隔離されると聞いたのですが…どこに行くんですか?
濃厚接触者は患者ではありませんので、いきなりホテルや病院に隔離されることはありません。
自宅で安静に過ごし、14日間は不要不急の外出を避けて普通に過ごせます。
PCR検査は受けた方が良いですか?
保健所から連絡がきた場合は、PCR検査を受けるか受けないかについても指示してくれます。
保健所の調査が追いついていない状況も考慮し、PCR検査をすぐに受けようと考えるのではなく、まずは14日間、自分の健康状態に注意しながら過ごすのが優先です。
まとめ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の潜伏期間と濃厚接触者の定義について紹介してきましたが、参考になりましたか?
無症状でも感染力をもつ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の潜伏期間は、一般的には1日から14日間です。濃厚接触者かどうかの判断基準と共に潜伏期間についても理解を深め、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の防止に努めましょう。
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