COLUMN

ICheckコラム

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の3つの感染経路とそれぞれの予防対策

監修医師プロフィール

堤 直也

社会人経験の後、医学部学士入学を経て、医師となる。
国立病院機構等勤務のあと青い鳥会に勤務し現在に至る。
総合内科医、在宅医療の専門医として在宅医療の意味に真摯に向きあう。

世界地図とマスク

人から人へと感染していく新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。

米国疾病対策センター(CDC)の報告によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はインフルエンザよりも効率的に感染するが麻疹ほどではないとしています。

報告書で『非常に容易に感染する』という表現を使っているウイルスで、特定の状況下で強い感染力があります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の主な感染経路は、下記の3つです。

  • 飛沫感染
  • 接触感染
  • 空気感染

この記事では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染経路と、それぞれの予防対策について詳しく紹介していきます。

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の飛沫感染について

咳が出るイメージ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は目、口、鼻、喉など、さまざまな経路から体内に侵入します。

CDCは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の主要な感染経路は飛沫感染であると発表しており、感染予防対策で最も気をつけなければいけないという見解を示しています。

まず始めに飛沫感染の特徴と、予防方法について紹介していきます。

飛沫と一緒にウイルスが放出される

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染予防で最も注意しなければいけない感染経路は、飛沫感染です。

近距離で多くの方と会話する環境を作らないように自粛要請が出ているのは、この感染経路が大きな理由です。

ユーザー

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染経路で最も怖いのは飛沫感染って聞いたんですけど、そもそも飛沫って何なんですか?

ICheck

会話、咳、くしゃみをすると口から細かい水滴が出ますよね。

この細かい水滴のことを飛沫と呼びます。

ユーザー

確かに会話してる時ってツバが飛んだりするし、咳やくしゃみも急に出ちゃう時ありますもんね…。

でも、飛沫がどうして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染の原因になるんですか?

ICheck

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)だけではなくインフルエンザや風邪もそうなのですが、感染者の飛沫と一緒にウイルスが放出されて、それを他の人が口や鼻から吸いこんでしまうと、ウイルスを体内に取り込んでしまうことで感染の原因になってしまうんです。

ユーザー

飛沫と一緒にウイルスも放出されるんですね…。

それじゃあ、飛沫が当たらない位の距離なら問題ないですか?

ICheck

CDCの感染対策ガイドラインを参考にすると、飛沫による感染経路は、発生源から2メートル以内の距離にいる人の目や鼻などの粘膜に飛んできた飛沫としています。

飛沫の大きさにより距離は異なりますが、口から放出された飛沫は1~2メートル程度ですぐに地面に落ちてしまうので、2メートルをひとつの目安にするのが良いでしょう。

ユーザー

居酒屋やカラオケ店などが夜間営業自粛になるのは、飛沫感染が理由ですか?

ICheck

そうです、居酒屋やカラオケ店は特に飛沫が多く飛び交い席も近いので、飛沫感染による感染リスクがとても高い場所です。

大勢の飲み会を避けるように言われているのも、飛沫感染によるリスクをできるだけ避けるための策なんですよ。

飛沫感染の予防対策

会話、咳、くしゃみによる飛沫と共に放出される新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。

ここからは、最も気をつけなければいけない感染経路と言われている飛沫感染の予防方法を紹介していきます。

ユーザー

日常生活で出来る飛沫感染の予防対策は何かありますか?

ICheck

最も簡単な飛沫対策は、マスクの着用です。

飛沫はマスクの繊維を通過することは少ないとされているので、マスクを着用しているだけで鼻や口の粘膜から病原体の侵入を抑制することができるんです。

ユーザー

やっぱりマスクは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染を防いでくれるものなんですね!

最近はいろいろなマスクが売られていますけど、種類は何でも大丈夫なんですか?

ICheck

理想は、飛沫対策に大きな効果を発揮してくれるマスクが好ましいです。

例えば目が粗くて重ね枚数の少ないガーゼマスクだと、大きな飛沫を防ぐという意味では十分な効果を発揮できない可能性もあります。

紙マスクなども水分を透過させやすいので、長時間の利用は推奨できません。

不織布製マスクが、飛沫感染防止に最も優れているとされています。

ユーザー

あれ?でも目からもウイルスは体内に侵入してくるんですよね?

ICheck

そうです、目の粘膜からも感染の恐れがあるので、マスクだけでは目からの侵入は防ぐことができません。

ゴーグルやフェイスシールドのようなもので感染予防することは可能ですが、日常生活で毎日これも装着するというのは現実的ではありません。

ユーザー

確かにあれを毎日つけるのは大変そう…。

マスクを過信しすぎるのもいけないって話を聞いたんですけど、それはどういう意味ですか?

ICheck

確かにマスクは飛沫防止には役立ちますが、それは至近距離から咳やくしゃみを浴びる時だけです。

WHOは近距離で感染者と接する時以外は、屋外で着用しても感染予防効果は薄いとしています。

マスクをつけているから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染予防は完璧と過信せず、他の感染対策も怠ってはいけないというわけです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の接触感染について

コロナ禍における外食のイメージ

続いては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の接触感染について紹介していきます。

帰宅したら手洗いうがい、お店に入る時はアルコール消毒が常態化していますが、これは接触感染を防ぐために重要な対策です。

病原体に付着したものに触ることで発生

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の主な感染経路とされているのは前述した飛沫感染と、この接触感染です。

接触感染とはどのようなものなのか、気をつけるべき点について詳しく解説します。

ユーザー

接触感染とはどういうものですか?

ICheck

例えば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染している人が咳やくしゃみをして、それを手で抑えたとします。

手にはウイルスが付着していますが、その手を洗わないまま物に触ると、その物にもウイルスが付着します。

その物に他の人が触った時、ウイルスもその人の手に付着してしまうんです。

ユーザー

手に触れただけで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染してしまうんですか?

ICheck

いえ、そういうことではありません。

皮膚につくだけで感染症を起こすものも中にはありますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の場合は、口や鼻、目や喉の粘膜から体内へ侵入していきます。

ようするに、ウイルスが付着した手で目、鼻、口などを触ることで、初めて感染を起こすというわけです。

ユーザー

物に付着したウイルスが感染源になってしまうかもしれないんですね…。

日常生活で気をつけるべき物って何かあったりしますか?

ICheck

接触感染は、直接触れても間接的に触れても発生します。

直接触れるというのは、例えば感染者から排出された唾液、体液、分泌物、排泄物に直接触れて、病原体を体内に侵入させてしまうというものです。

間接的にというのは、例えば電車の吊り革、手すり、ドアノブなどから感染してしまうというものです。

不特定多数の方が触るところに関してはウイルスが付着している可能性がないとは言えませんので、注意すべきです。

接触感染の予防対策

人から物、その物から人へと感染が広がってしまう接触感染。

飛沫感染予防にはマスクはフェイスシールドなどが効果的ですが、接触感染の予防対策にはどのようなものがあるのでしょうか。

ユーザー

接触感染を予防するには、どのような方法があるんですか?

ICheck

最も重要な予防対策は、しっかりと手洗いをすることです。

接触感染は手に付着したウイルスを目、鼻、口などに触ることで体内へ侵入していきますので、手に付着したウイルスをしっかりと洗い流すことで、予防対策を行うことができます。

ユーザー

手洗いやアルコール消毒には、そのような効果があったんですね。

接触感染予防の手洗いはどのタイミングでするのが良いんですか?

ICheck

外から家に帰ってきた後、ご飯を食べる前などは特に入念な手洗いが必要です。

その他にも、トイレの後もしっかりと手洗いすることが、予防対策に効果的です。

ユーザー

手洗いで気をつけることって何かありますか?

ICheck

手洗いで気をつけるべきは、手の全体を漠然と洗うのではなく、指先、指の間、爪の間などを丁寧にこすって洗うということです。

30秒の手洗いと2回手洗いを実践することにより、ウイルスの除去効果が上がるとされているので、ぜひ実践してみて下さい。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の空気感染について

接触感染のイメージ

飛沫感染と接触感染に関しては新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の当初から危険性の高い感染経路とされていましたが、CDCが公式に空気感染も感染経路になり得ると認めたのは、2020年10月5日付けの改正版からです。

ここからは空気感染の特徴と、予防対策について紹介していきます。

浮遊するウイルスが感染経路

飛沫感染と接触感染に関しては何となくイメージできるものの、空気感染に関してはよく分からないという方も少なくありません。

どのような経路で感染するのか、まずはそこから解説していきましょう。

ユーザー

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の空気感染ってどういうものですか?

ICheck

空気感染は、感染者から排出された飛沫核で感染することを指します。

飛沫と勘違いされることが多いのですが、飛沫核は咳やくしゃみなどで排出された水分が乾燥して、病原菌だけが空中に浮遊しているという状態を言います。

ユーザー

病原菌が空中に浮いてるんですか…。

それじゃあ、飛沫感染を防ぐことができる2メートルの距離をあけていても、空気感染にはあまり意味がないということですか?

ICheck

その通りです、病原菌は数分から数時間に渡って浮遊します。

発生源から2メートル以上の距離を保っていても、感染する可能性があります。

空気感染の予防対策

空気中に浮遊している病原菌から感染してしまう空気感染。

ソーシャルディスタンスをもってしても防ぐことができませんが、予防対策はしっかりとあります。

ユーザー

空気感染はどのようにして予防したら良いんですか?

ICheck

実は飛沫核は、とても軽いんです。

よって、屋内ではなく屋外の場合は風などですぐに飛ばされてしまうので、空気感染のリスクはほとんどありません。

気をつけなければいけないのは、密閉されている屋内です。

ユーザー

密閉空間は感染リスクが高いと聞いたことがあります!

空気感染を防ぐために、定期的な換気が必要なんですか?

ICheck

はい、換気の悪い室内では地上1.5メートルの高さで飛沫核が数十メートル先まで移動する可能性があるとされていますので、長時間に渡り飛沫核を浮遊させないようにするためにも、定期的な換気が絶対に必要なんです。

まとめ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の3つの感染経路とそれぞれの予防対策を紹介してきましたが、参考になりましたか?

密閉、密室、密接の3つの密を避ける“3密”は、飛沫感染、接触感染、空気感染のすべてを予防できるものです。

この対策を行っているから後は大丈夫と過信するのではなく、すべての予防をしっかりと行うことが、新型コロナウイルスの感染予防です。

感染経路と予防対策をしっかりと把握し、適切な感染予防を行っていきましょう。

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