COLUMN

ICheckコラム

新型コロナウイルスで味覚・嗅覚が無くなった時に有効なことは?

監修医師プロフィール

リチャード・カシンスキー

2010年 京都大学大学院医学研究科博士課程後期修了(医学博士)
2014年 神戸大学医学部医学科卒業(医師)
2016年 ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院麻酔科・集中治療科フェロー修了後、東京大学大学院医学系研究科法医学教室客員研究員を歴任
現在 コンゴ共和国医療最高顧問、心和会 江東メディカルタワー総院長、都立広尾病院救命救急センター医師、スタンフォード大学医学部スタンフォードソリューション共同創設者、あしなが育英会評議員他を務める

コロナウイルスの感染で味覚・嗅覚が無くなる?

ユーザー

コロナウイルス感染には様々な症状がありますよね?

リチャード先生

ありとあらゆる症状がありますが局所的な症状が多く、全身の倦怠感や頭痛、筋肉痛などがあります。

ユーザー

でも患者さんによっては、症状の伝え方が変わってしまいますよね。それぞれ独自の表現で説明してしまうので、同じ症状を区別したとしても、判断するのは難しいのではないでしょうか?

リチャード先生

確かにすぐに判断するにはとても難しいです。
あとは、命に別状はなくとも非常に厄介な後遺症があります。
代表的なものが嗅覚障害や味覚障害です。これらに関しては「重症化しているのではないか、嗅覚や味覚が戻らないと気になる」など、やはり最も日常的にみなさんが感じるところだと思います。

ユーザー

味覚や嗅覚が戻らない事はとても辛いので、恐れる人はすごく多いですよね。

リチャード先生

しかし、全体のおよそ60~80%の人は何もせずに自然に回復する傾向があります。万が一、味覚障害や嗅覚障害がずっと続くようであれば、ビタミン剤や漢方などで経過を観察する方法もあるんですよ。他にもレモンを使ってレモンの味を思い出す方法もあり、朝と晩ゆっくりと30秒の間レモンの味を思い出す訓練を数週間続けます。ホームレメディのようなものですね。

ユーザー

感覚が無くなってしまうのは、消失とは違うんですか?

リチャード先生

一時的に炎症で麻痺している状態です。

ユーザー

ぱっと失ってしまうと完全に戻らない視覚や聴覚と比較してみると、基本的に味覚や嗅覚は時間が経つにつれて元に戻るんですね!

リチャード先生

基本的には戻ります。
プラシーボ効果ではないですが、思い込みの原因も捨てきれないと私は思います。コロナ以前にも味覚障害や嗅覚障害を起こすウイルスは多く存在しています。コロナの流行初期に「嗅覚障害や味覚障害が出る」という事例が報道されたことによって、みなさんが暗示にかかっているような感覚になっていることも考えられます。実際に症状が出ている人も当然いますが、一部の人は本当かどうかグレーであることもあり得るでしょう。

ユーザー

なるほど。報道に影響されることも結構ありますよね。

リチャード先生

確かにこのような後遺症が報告されているけれど、基本的には自然軽快するから心配ないことも含めて報道するべきだと思います。

ユーザー

感覚が一時的に鈍るってしまうみたいな表現なら、そんなに心配しなかったかもしれませんね。

リチャード先生

嗅覚の嗅神経は脳神経から直接出ているのですが、神経部分に炎症が起きているのであれば、通常だとステロイドを使えばいいと考えるでしょう。
一見、医学的なアドバイスに聞こえますが全く意味がありません。

このように世の中には間違った内容を情報不足のまま発信している方も多くいるので、伝え方の問題もあると考えています。

対処法として有効なことはある?

ユーザー

アミノ酸や亜鉛を摂取すると効果的と聞いたのですが、本当でしょうか?

リチャード先生

データはありませんが、一度試してみても良いと思います。そういう意味ではビタミン剤も良いかもしれませんね。

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