COLUMN

ICheckコラム

赤ちゃんや幼児は新型コロナウイルスに感染しにくいのでしょうか?

監修医師プロフィール

リチャード・カシンスキー

2010年 京都大学大学院医学研究科博士課程後期修了(医学博士)
2014年 神戸大学医学部医学科卒業(医師)
2016年 ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院麻酔科・集中治療科フェロー修了後、東京大学大学院医学系研究科法医学教室客員研究員を歴任
現在 コンゴ共和国医療最高顧問、心和会 江東メディカルタワー総院長、都立広尾病院救命救急センター医師、スタンフォード大学医学部スタンフォードソリューション共同創設者、あしなが育英会評議員他を務める

幼児でもコロナウイルスにかかる?

ユーザー

赤ちゃんや幼児はコロナウイルスに感染しにくいのでしょうか?子供や赤ちゃんのことは、やはりご家庭の皆さんものすごい検索するそうなんですね。

リチャード先生

これはもう一般的には症状が出にくいというのが見解です。本当にパンデミックの初期の頃というのは、むしろ大丈夫でしょうというぐらいの軽い考えだったので、確かに第5波になってから絶対数が大幅に増えたじゃないですか。

ユーザー

1日の新規感染者数が最大で2万2千人ぐらい行きましたね。

リチャード先生

どうしても母数が上がってしまうので、ポピュレーションのピラミッドがありますよね。日本だとひょうたん型ですが、母数が増えると当然数の40〜50代以上の方たちも感染者数としては増えますが、トリクルダウン効果(溢れ出して波及していく傾向)としてはやはり小児に波及してもおかしくないですよ。
なので、もともと小児は重症化もしなければ感染もあまりしないというマインドで動いていました。小児にも感染しやすくなったという考えに変わっていったと思いますが、私は違うと思っています。
絶対数が増えたから普通に小児も感染するようになってしまった、でも小児がこれだけ感染するという話には気をつけなければなりません。

社会的には第5波だとしても、小児や10代以下の若い世代を直撃したのは今回の第5波が初めてなので、彼らにとってはいわゆる第1波といっても過言ではないかなと思いますね。

ユーザー

ウイルスの特性や体の特徴として、そもそも幼児は症状が出にくい体なんですか?

リチャード先生

身体に症状が出にくいというのはどうでしょうね。

ユーザー

芸能人の話でも話題になりましたが家庭内感染をしてしまい、みんな陽性が出たけれども子供だけは熱も何も症状が出ないというケースも聞きました。

リチャード先生

これについては疑問です。分子生物学的な理論で言うと、ACE2のレセプターは大人と同じようにあるので、、、

ユーザー

では、大人と同じような症状が出てもおかしくないということなんですね!

リチャード先生

そうですね。でも、大人に関しても結局は無症状者が結構大半ですよね。
それと同じでまだ小さなお子様では実際に感染していても、ただ私達が認識できていなかったのかもしれません。
症状が出なかった。あるいは訴えがなかったから検査もしなかった。しかし実際には陽性だった。というケースも中には結構あると思うんですよね。

ユーザー

感染しにくい。症状が出にくい。というとイメージではどちらのほうなのでしょうか?

リチャード先生

増えていることに関してはこれは間違いないけれど、このウイルスが小児に感染しやすくなるように変異しているかと言われると、それは違うような気がしますね。
それを裏付けるデータはないので、これはあくまで私の一意見です。

ユーザー

ここは一度チェックしたんですけれども、我々の考え方という意味でいうと、そういうロジックは成り立たないというか、想像できない何か免疫を持っているわけではないということなんですね。

リチャード先生

そうですね。免疫力でいうと、当然50代~70代に比べたら免疫力は圧倒的にしっかりついています。そういうところが働いているのかもしれないし、代謝についても50代~70代に比べたら幼児のほうがいいですしね。

ユーザー

じゃあ1歳や2歳の幼児は、60歳の人よりも身体の免疫力が強いのでしょうか?

リチャード先生

免疫力が強いか弱いかという表現は正しいかどうかですよね。

ユーザー

こういうパンデミック初期の時も、あまり考えていなかったというお話でしたよね。

リチャード先生

例えば、今生まれたての赤ん坊がいて授乳中である。そういう子たちはIGAなどといった、母親から与えられるような一種の防御機能というのものがありますよね。
そういうところが働いているかというと、どこまで研究しているのかという話になってきますから一概には言えませんが多少は付与している可能性が考えられます。
そういう小児や赤ん坊の特異的な免疫耐性、免疫機構というのもあるので、そういうのは関与しているかもしれませんが、データがなければ物語れないですね。
イメージとしてはそういうことがあってもおかしくはないなとは思いますね。

幼児とワクチン

ユーザー

子供は小さいから心配だっている方が多いという事と、ワクチンを打つ事ができないのが大きな問題になってきますよね。

リチャード先生

これもよくニュースでも取り上げられていますが、小学校感染とか幼稚園・保育園感染というのが結構叫ばれていて、実際一人幼稚園に感染者が出るとパニックになっちゃうんですよね。

それもまた面白い話で、では家庭内に子供が持ち込んでいるか、それとも両親が持ち込んで子供が感染しているかどっちが先かですよね。
もし前者、子供が持ち込んでいるということになると、もっと学校の中でクラスターが発生していると思うのです。
たまに報道はありますけれど、実際にそこかしこで発生しているというのはあまり聞かないですよね。子供も学校や保育園に行って、社会活動をしているとはいえ行動はほぼ制限されています。
でも大人は当然毎日仕事に行きますという感じですけど、それ以外の行動って間々ありますよね。
どちらが色々なものに感染しやすいかというと、いい勝負かもしれませんね。
特に若いお父さんお母さん世代はまだワクチンを接種していないという方もいるので、そういう方々が持ち込んでいる可能性も考えたほうがいいですね。

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