新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における濃厚接触者の定義と自分がなった時の対処法
監修医師プロフィール
堤 直也
社会人経験の後、医学部学士入学を経て、医師となる。
国立病院機構等勤務のあと青い鳥会に勤務し現在に至る。
総合内科医、在宅医療の専門医として在宅医療の意味に真摯に向きあう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における濃厚接触者の定義をご存知ですか?
テレビやネットでも頻繁に濃厚接触という言葉を耳にする機会が多いかと思く、聞き馴染みはあるかと思います。
しかし、具体的にどのような条件を満たせば濃厚接触者になるのかを知っているという方は少ないでしょう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大を防ぐためには、感染者だけではなく、濃厚接触者も自分は感染者かもしれないと考え自覚ある行動をとることが重要です。
この記事では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における濃厚接触者の定義と、もしも自分が濃厚接触者になってしまった時の対処法を紹介していきます。
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目次
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における濃厚接触者の定義とは
自分が他の人に感染させない、これが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大を防ぐ考え方です。
しかし、日常生活において常に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しているかもしれないと考えながら生活を送るのは非常に大変です。
余計な心理的ストレスも相まって良くありません。
そんな時に用いられている考え方が、濃厚接触です。
ここからは、濃厚接触者の定義をご紹介していきます。
距離と時間による定義
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していた人と近くで話したり、何かしらの接触があった場合に濃厚接触者になると考えている方が多いかと思いますが、厚生労働省により定義が記載されています。
厚生労働省が決定した定義によると、重要な要素になってくるのは時間と距離です。
必要な感染予防をせずに感染者と1メートル以内かつ15分以上の接触が確認できた場合、濃厚接触者に該当するとしています。
必要な感染予防とは具体的にどういうものですか?
手指のアルコール消毒、マスクの着用、対面で会話をしない等の基本的なものです。
しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はマスクを着用していても、対面に座っている方の飛沫が目の粘膜から体内に侵入することもあります。
マスクをしているから大丈夫、という確証はまったくありません。
感染者と思われる方と10分程度の会話なら…濃厚接触者に該当しないですか?
いえ、そういうことではありません。
厚生労働省が発表した定義はあくまでも目安なので、10分だから平気、2メートル以上離れてたから大丈夫ということはありません。
感染者と軽く数分立ち話をしただけでも、濃厚接触者に該当する可能性は十分にあります。
感染者と接触した日の定義
濃厚接触は、感染者と接触した日がいつまでなら大丈夫なのでしょうか。
ここに関しても、濃厚接触者の定義が公表されています。
濃厚接触者は時間と距離ということを教えてもらいましたが、日に関する定義もあるんですか?
以前までは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者と接触した日の始まりを発病した日としていたのですが、今は改正されて発病した日の2日前としています。
つまり、感染者が実際に発病する2日前に接した方すべてが、濃厚接触者に該当する可能性があるということになります。
なぜ発病する2日前に改正されたんですか?
これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発病前から感染力があるということがわかってきたからです。
無症状でも感染力があることが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の厄介な点で、症状が出ていない潜伏期間でも、発病する2日前から強い感染力があるとされているので、その間に接触があった方は感染リスクが高いのです。
最終的には保健所が判断する
濃厚接触者に該当するかどうかは自分で判断するのではなく、最終的には保健所が判断することになります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性者からヒアリングを行い、濃厚接触者と判断された場合は保健所から連絡がきます。
例えば感染者と15分以上会話をしていても、保健所の判断で濃厚接触者に該当しない場合もあるんですか?
あくまでも必要な感染予防をせずにというのが重要で、例えば感染者の近くで会話をしていてもお互いにマスクをつけていたり、ほとんど会話をしていなければ飛沫感染の可能性は低いです。
3密を回避できている空間だったり、外で会話をしていたなどの感染リスクの低い状況であれば、濃厚接触者に該当しない場合もあります。
自分で勝手に判断するのはいけないということですか?
濃厚接触者の可能性があると判断した場合は、速やかに保健所や各自治体の相談室へ連絡し、不要不急の外出は控える必要があります。
しかし、感染者と少し接しただけで自分は濃厚接触者だと思いこんでしまうのは良くありません。
何はともあれ、保健所からの指示に従うのが一番です。
もしも自分が濃厚接触者になってしまったら
地球に住んでいる全ての人間が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染の可能性があります。
どれだけ感染予防対策をしていても、感染してしまう時はあります。
それと同様に、誰でもいつでも濃厚接触者になる可能性があります。
ここからは、自分が濃厚接触者になってしまった時の対処法について紹介していきます。
14日間は不要不急の外出を控える
身近に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者が出た場合、自分が濃厚接触者になってしまうリスクはとても高いです。
冷静な判断と行動で、感染拡大防止に努めましょう。
濃厚接触者かどうかは自分で判断せずに、保健所からの連絡で判断するんですよね?
はい、保健所では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性者からヒアリングを行い、濃厚接触者の疑いがある方へ直接連絡し、その後の行動を指示します。
自分で判断せずに、保健所の判断を待つというのが正しい選択です。
保健所から濃厚接触者であると判断された場合、どうしたら良いんですか?
原則的には濃厚接触者は検査を行い、仮に陰性であっても14日間は不要不急の外出を控えるように保健所から要請されます。
これはあくまで健康に注意を払いながらという前提になります。
自粛中にどうしても体調が悪くなるなどの異変を感じれば、事前に病院へ連絡した後に診療してもらいましょう。
最終判断は企業と個人の判断に任せることになる
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者は、当然ですが出勤はできませんし、病院内で隔離されて家族ですら会うことができません。
感染拡大を防止するためのガイドラインが整備されていますが、濃厚接触者に関しては違います。
濃厚接触者に該当されてから学校や会社へ行くのは禁止ですか?
現在、濃厚接触者との接触に関するガイドラインは存在しません。
保健所はあくまでも不要不急の外出を控えるようにお願いをするだけなので、学校や会社へ行くのは駄目、人混みに行くのは駄目と強制することはできないのです。
つまり、企業と個人の判断で決めるということですか?
その通りです。
社員数1,000人以上の大企業の場合、濃厚接触者は陰性であっても14日間は在宅勤務または自宅待機と決めているところもありますが、中小企業の場合はそうはいかない場合も多いです。
不要不急の外出を控えるお願いも強制力はありませんので、個人の判断で決めてもらう形になります。
まとめ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における濃厚接触者の定義と自分が濃厚接触者になった時の対処法について紹介してきましたが、参考になりましたか?
自分が感染者かもしれないと思いながら予防対策を取ることが感染拡大を防ぐ上でとても重要なことですが、感染リスクの高い濃厚接触者は、さらにこの考えを強く持つことが大切です。
濃厚接触者の定義を深く理解し、もしも保健所から連絡がきて濃厚接触者と判断された時は、感染拡大を防ぐ適切な行動を心がけましょう。
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