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ICheckコラム

PCR検査で何がわかる?受けたい時はどうすればいい?詳しく解説!

監修医師プロフィール

堤 直也

社会人経験の後、医学部学士入学を経て、医師となる。
国立病院機構等勤務のあと青い鳥会に勤務し現在に至る。
総合内科医、在宅医療の専門医として在宅医療の意味に真摯に向きあう。

PCR検査のイメージ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に流行し、ロックダウンや外出自粛などによって私たちの生活、社会のあり方は大きく変化しました。

ニュースでは連日新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の話題が報じられていますが、その中で頻繁に目にするのが「PCR検査」という検査についてです。

この記事では、PCR検査とはどのようなものなのか、受けたい時はどうすればいいかなど、PCR検査について気になっている方のためにさまざまな情報を詳しくご紹介します。

このような状況下では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する正しい知識を知り、適切な対処を取ることも大切です。

ぜひ記事を参考にしてみてください。

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PCR検査とは?

PCR検査のイメージ

PCR検査のPCRとは「Polymerase Chain Reaction」の頭文字を取ったものです。

日本語ではポリメラーゼ連鎖反応といい、採取したウイルスを増幅させることで検出可能にし、その病気にかかっているかどうかを診断するための検査です。

PCR検査は3月から保険が適用されるようになっています。

ユーザー

PCR検査では、どうやって新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しているとわかるんですか?

ICheck

PCR検査では、検査したい人の細胞を採取し、それを酵素やプライマーなどの試薬と混ぜ合わせて、検査機器の中で加熱・冷却を繰り返すことでウイルスを増やします。

そして、その中にウイルスが見つかれば陽性、見つからなければ陰性ということになります。

ユーザー

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかっているかどうかの検査は、PCR検査のほかにも検査がありますよね。

ICheck

そうですね、こちらもニュースで目にすることがあると思いますが、抗原検査や抗体検査という検査もあります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しているかどうか知りたい場合には、抗原検査ではなくPCR検査か抗原検査が選択されることになります

抗原検査や抗体検査との違い

ユーザー

それはどうしてですか?

ICheck

それではまず、抗体検査から説明しましょう。

抗体検査の場合、今現在新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかっているかどうかではなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していたか、つまり感染の痕跡を探すための検査です。

ウイルスに感染すると人間の体の中で抗体が作られますが、それを検出することで病気にかかっていたかどうかを調べます。

抗体には「IgM」と「IgG」があり、IgMが陽性の場合は過去数週間以内に感染していたこと、IgGが陽性の場合は過去数年以内に感染していたことを示しています。

ユーザー

陽性となって体の中に既に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗体があれば、おたふく風邪のようにもう二度と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しないんでしょうか?

ICheck

残念ながら、そうとも言えません。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の場合、新しい感染症であるためデータが無く、一度かかったら二度とかからないとは言い切れないのです。

ユーザー

では、抗原検査はどのようなものでしょう?

ICheck

抗原検査は2020年5月から保険適用となっています。

抗原検査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗体を使うことで抗原を検出します。

PCR検査はウイルスを増やすことで検出しますが、抗原検査の場合は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗体に反応するかどうかで検出します。

そのため、発見するためにはたくさんのウイルスが無ければならず、PCR検査に比べると偽陰性が多くなってしまうのです。

ユーザー

偽陰性が多くなるというのは、検査の感度が低いということですよね。

そんな検査がどうして保険適用になったんですか?

ICheck

それは抗原検査の場合、特別な試薬や検査機器が必要なく、およそ30分という短時間のうちにその場で結果が出るからです。

また、偽陰性のおそれもありますが、陽性の確定は可能であることも1つの理由でしょう。

抗原検査は単体ではなく、PCR検査と組み合わせての活用が予定されています。

PCR検査の精度・正確性は?

疑問のイメージ

ユーザー

PCR検査で陰性になれば、確実に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかっていないということなんでしょうか?

ICheck

他の検査に比べると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しているかどうかを確かめる精度は高くなるものの、PCR検査も確実というわけではありません。

PCR検査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していないという証明をすることはできません。

検査結果が陰性だったとしても、ウイルスが検出されなかっただけで感染している可能性もあります。

ユーザー

それはどうしてでしょう?

ICheck

これはPCR検査の精度が低いということではなく、採取する検体の問題です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)におけるPCR検査では、ウイルスを適切に採取できる材料(鼻、咽頭、痰、唾液)や時期がまだはっきりしていない部分も多いためです。

また、一般社団法人の日本疫学会の『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染予防対策についてのQ&A』というページでは、PCR検査の陽性割合は時間とともに変化していくという内容の論文を紹介しています。

ユーザー

時間とともに変化していく、とはどういうことでしょうか?

ICheck

研究の一つでは、発症日には94.39%だった陽性割合が発症10日後には67.15%、発症31日後では2.38%と陽性の感度が低くなっていくことが報告されています。

また、PCR検査そのものの精度に関しては、検体採取の要因なども勘案して数理モデルによる推定がされています。

病状が出るとされる前日(感染4日目)では67%、病状が出た日では62%、病状がでた3日後に80%精度となりそれを最大値にして精度が下がるというものです。

検査をうけるタイミングによって精度は変わるということです。

PCR検査のやり方

新型コロナウイルスのイメージ

ユーザー

PCR検査はどのような方法で行うんですか?

ICheck

まずはウイルスを採取します。

ウイルスがもっとも多くいる場所を狙う必要がありますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は鼻やのど、唾液の中にいますのでそこから採取します。

唾液を採取するか、『鼻咽頭ぬぐい液』と呼ばれる鼻から長い綿棒を入れてのどから粘液を採取する方法があります。

2020年10月には小鼻(鼻腔前庭)のぬぐい液でのPCR検査も保険適用となりました。

PCR検査を受けたい時はどうする?受けられる場所と費用相場

電卓

ユーザー

では、実際に『PCR検査を受けたい』という場合にはどうしたらいいんでしょうか?

ICheck

PCR検査は各都道府県にある感染症指定医療機関と、PCRセンターで受けることができます。

ただし、PCRセンターの所在地は非公表となっており、医療機関からの紹介があった場合のみ検査を受けることができます。

ユーザー

ニュースで格安でPCR検査を受けられる施設があるという情報を知ったのですが、そこはどうなんですか?

ICheck

『PCR検査を受けたい』と思う方が増えたことで、最近ではニュースなどで格安でPCR検査を受けられる民間施設が話題になっています。

現在、PCR検査を受けられるのは下記の3つです。

  • 感染症指定医療機関…25,000円〜40,000円
  • 美容クリニックなどが行っているPCR検査…4,900円〜15,000円
  • 民間のPCR検査施設…1,980円〜2,900円
ユーザー

検査の費用相場が10倍以上も異なっていますが、これは一体どのような理由からでしょうか?

普通とは違うPCR検査なんですか?

ICheck

いずれの3つも、PCR検査の手法は論理的には同じ検査です。

ユーザー

同じ検査でもこんなに費用が変わるのにはどんな理由があるのか気になります。

ICheck

感染症指定医療機関の場合、保険が適用されるためたくさんの規制を遵守する必要があります。

検査を依頼する検査会社についても、複数機関の承認を受けたところに依頼していることがほとんどです。

この場合、厳重な検査が行われるため、人件費や防護服などにコストがかかり、検査費用も高くなります。

美容クリニックの場合は、院内にPCR検査機器を置いて大量に検査をしています。

保険適用のされない自費診療であるため保健所のチェックは入りません。

では民間のPCR検査施設はどうかというと、こちらは試薬の販売を行っている検査会社がやっているケースもあれば、大手建設業や通信業などの企業が行っているものもあります。

ユーザー

これだけ費用に差があると精度が心配ですね。

感染症指定医療機関の場合は保険が適用されるので、保険診療で求められる基準を満たさなければいけない。

でも、美容クリニックのPCR検査と民間のPCR検査ではそれを要求されることはないため検査の品質が保たれているかはわからないということですよね。

ICheck

実際、3,000円ほどの民間のPCR検査施設で検査して陽性だったためほかの医療機関で再度PCR検査を行ったところ、陰性になったというケースもあるようです。

ユーザー

やはり医療機関で行うものとは精度が少し低いんですね。

ICheck

最近では、医療機関や民間のPCR検査施設の他にも、自宅で検査ができるPCR検査キットも出てきました。

自宅で検体を採取し、検査機関へ郵送するというものです。

ユーザー

自宅にいたまま検査ができるのはとても便利ですね。

PCR検査の結果がわかるのはいつ?

PCR検査のイメージ

ユーザー

PCR検査は検査してから、どのくらいで結果がわかるんでしょうか?

ICheck

民間PCR検査の場合、検査施設によっても結果がわかるまでにかかる時間は異なります。

ここからは医療機関でPCR検査を受けた場合について解説しましょう。

ユーザー

よろしくお願いします。

ICheck

PCR検査機器は高額なので、どの病院にもPCR検査機器が置いてあるわけではありません。

大きな病院など、PCR検査機器がある病院の場合、早い時間に検査をすれば当日中には結果がわかるのが一般的です。

ただし病院によっても異なるため、事前に問い合わせるようにするといいでしょう。

小さな病院の場合は、病院にPCR検査機器がないため外部の検査会社に検査を委託していることがほとんどです。

通常、結果がわかるのは1、2日後となりますが、病院によっては翌日にわかるケースもあります。

こちらも問い合わせてみるといいでしょう。

まとめ

感染の第三波が到来したと言われる現在ですが、12月に入ってからはさらに感染者数は増え続け、2021年12月31日には過去最高の1,337人の感染が確認されました。(東京都・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策サイトより)

医療機関だけでなく保健所も対応に追われパンク寸前であることが報じられるなど、厳しさは増しています。

「PCR検査を受けた方がいい?」と不安になったらまずは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)コールセンターに電話で相談するようにしましょう。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は感染してもおよそ8割の人が無症状や軽症です。

いつどこで感染してしまうかわからないと考えて、日頃から感染対策を万全にしておくようにしましょう。

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