PCR検査の正確性は?検体採取のタイミングや場所によって生じる違い
監修医師プロフィール
堤 直也
社会人経験の後、医学部学士入学を経て、医師となる。
国立病院機構等勤務のあと青い鳥会に勤務し現在に至る。
総合内科医、在宅医療の専門医として在宅医療の意味に真摯に向きあう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染を調べるためのPCR検査。
今では多くの人がこのPCR検査の名前を知っていると思いますが、正確性について詳しく知っているという方はきっと多くはないでしょう。
以前は思うように受けられない検査と言われていたPCR検査ですが、現在では自費診療でのPCR検査が医療機関、民間PCR会社、美容クリニックなどで受けられるようになってきています。
また、PCR検査キットがインターネットで購入できるなど、感染リスクも抑えながらPCR検査を行うことが可能です。
そこで気になるのが、PCR検査の正確性ではないでしょうか?PCR検査は精度の高い検査ですが、注意点もあります。
この記事で詳しく解説していきます。
【自宅で簡単にできる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗原検査キット、ICheckの詳細はこちら】
PCR検査は精度の高い検査
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染を調べる検査にはPCR検査のほかにも抗原検査と抗体検査がありますが、正確性の面で言えばこの3つの中でもっとも優れているのがPCR検査です。
それならPCR検査だけ行えばいいのではないですか?
PCR検査も100%確実な診断ができるというわけではありません。
PCR検査は専用の機器や試薬を使う必要があり、正確な検査を行うためには相応の技術が求められます。
また、結果が出るまでに1〜6時間ほどかかります。
一方で、抗原検査の場合は特別な機器や試薬がなくても検査可能で、結果も30分ほどで出ます。
手間がかかるということでPCR検査の方が費用も高くなります。
PCR検査の費用相場は20,000円〜40,000円ほど、抗原検査は15,000円前後になります。
抗体検査は過去に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していたことを調べる検査なので、現在感染しているかどうかを調べることはできません。
自費診療でPCR検査を受ける場合は高くなってしまうけど、その分精度は高い検査なんですね。
PCR検査の正確さの指標
PCR検査は精度が高いということですが、それはどうやってわかるんですか?
PCR検査の正確さの指標となるのが『感度』と『特異度』と呼ばれる割合のことです。
感度と特異度とはどのようなものでしょうか?
感度と特異度については、下記になります。
- 感度(真陽性率)…新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染している人を検査で正しく陽性と診断できるかどうか
- 特異度(真陰性率)…健康な人を検査で正しく陰性と診断できるかどうか
PCR検査はこの感度と特異度が高い検査なんですか?
PCR検査の感度は従来までは70%ほどだと言われていましたが、北海道大学大学院医学研究院の研究グループが約2000例もの症例を調べた結果、感度はおよそ90%、特異度は99.9%以上だという結果になりました。
PCR検査は感度も特異度も高く、信頼できる検査だといえるでしょう。
PCR検査の正確性は検体によって左右される
ではPCR検査で陰性となったらもう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していないものと思っていていいんでしょうか?
PCR検査は抗原検査や抗体検査に比べれば精度の高い検査ですが、100%確実というわけではありません。
上記で感度と特異度について解説しましたが、感度が90%ということはどういうことかわかりますか?
見逃しがあるということでしょうか?
感度90%の場合、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染している100人を検査しても陽性と判断されるのは90人で、残りの10人は感染しているにもかかわらず陰性と出てしまうのです。(偽陰性)
PCR検査で陰性と出ても安心はできないということですね。
そもそもPCR検査は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染している可能性が高い人に対して確定診断として行うための検査なので、PCR検査を行ったからといって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していないという証明はできませんので注意しましょう。
また、PCR検査の正確性は検体によっても左右されます。
検体がどのように影響するんですか?
PCR検査自体の精度が高くても、検体に問題があれば検査結果にも影響してしまうのです。
PCR検査では鼻の粘液や唾液を採取しますが、このウイルス量は時間とともに変化します。
また、採取する場所でも違いがあります。
たとえば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は約8割が無症状ですが、無症状の方が早すぎる段階で検査をしても偽陰性の結果が出てしまうことがあります。
まとめ
PCR検査自体は精度の高い検査ですが、鼻の粘液や唾液などの検体や、検体の採取方法も検査の正確性に影響します。
PCR検査を受ける時にはこれらのことも踏まえて受けるようにしましょう。
また、偽陰性の可能性があることを考え、PCR検査で陰性と診断されたとしても感染対策は引き続き行っていく必要があります。
【自宅で簡単にできる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗原検査キット、ICheckの詳細はこちら】
ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)を迅速かつ簡便に検出する抗原検査キットについてはこちら
抗体検査キットで新型コロナウイルスの抗体を保有しているか知りたいならこちら
中和抗体検査キットでワクチン接種後の中和抗体の有無を知りたい方はこちら
PCR検査キットで⼈が集まる場所や帰省・他地域への移動の際はこちら
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査にはほかにもいくつかの検査がありますよね。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しているかどうか気になるので、検査を受けたいのですがどの検査がいいのか迷っています。
すべて受けるのはお金も手間もかかるので、より精度の高い検査を受けたくて。