COLUMN

ICheckコラム

抗体とは?病原体から体を守る仕組みと4つの働き

監修医師プロフィール

堤 直也

社会人経験の後、医学部学士入学を経て、医師となる。
国立病院機構等勤務のあと青い鳥会に勤務し現在に至る。
総合内科医、在宅医療の専門医として在宅医療の意味に真摯に向きあう。

人型の木の人形

抗体が何か知っていますか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響により、抗体という言葉を聞く日も多くなってきました。

普段は聞き馴染みのない言葉かと思いますが、抗体は私たち人間が健康を維持する上でとても重要な役割を担っているものです。

この記事では、何となく知っているけど詳しくは知らない抗体について、誰でもわかるように詳しく紹介していきます。

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抗体とは

カルテと注射

抗体ができると同じ病気にかからなくなる…こんな言葉を聞いたことはありませんか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で抗体検査というものがあるので、それで初めて抗体という言葉を聞いた方も少なくないでしょう。

そもそも抗体とは何なのか、まずはそこから説明していきましょう。

病原体を倒してくれるタンパク質

ユーザー

そもそも抗体とは何ですか?

ICheck

抗体を簡単に説明すると、体内に侵入してきた抗原(病原体)を倒すために体内で作られる免疫グロブリンというタンパク質のことです。

抗原は、外から体内へ侵入してきたウイルス、花粉、寄生虫などは、すべて抗原となります。

外から侵入してきた抗原を倒して体を守ってくれるのが、抗体です。

ユーザー

抗体ができると同じ病気にかからないって聞いたんですけど、それはどういう意味ですか?

ICheck

実は、抗体そのものには細菌やウイルスを分解する作用はありません。

抗体はさまざまな物質と連携することで、感染症の発症を防ぎます。

特定の抗原に特異的に結合してピッタリと合う抗体を作ることができますが、免疫の種類は自然免疫と獲得免疫の2つがあります。

獲得免疫により一度体内に侵入してきた病原体を抗体が記憶し、次に侵入してきた時はスムーズに排除できるようになるのです。

ユーザー

ということは、一度体内に侵入してきたウイルスと全く同じウイルスが体内に侵入してきた場合は、抗体がすぐに倒してくれるんですか?

ICheck

その通りです。

抗体は同じ抗原に結合するので、鍵と鍵穴によく例えられます。

抗原Aに対抗する抗体A、抗原Bに対抗する抗原Bという風になります。

抗原Aに対して抗体Bは対抗できませんので、獲得免疫により抗体が事前に体内にあれば、抗原にスムーズに対抗してくれるようになります。

4つの働きで体内を守る

ユーザー

外から侵入してきた病原体に対して対抗してくれるのが抗体というのはわかりましたが、具体的に何をしてくれるんですか?

ICheck

抗体は抗原と結合し、病原体を排除するように作用します。

その働きは、中和作用・オブソニン化・細胞溶解・炎症の誘発の4つに分けられます。

  • 中和作用⇒ウイルスを細胞に感染させにくくしたり、細菌が作る毒素を中和
  • オブソニン効果⇒ウイルスや細菌を退治する物質を取り込みやすい状態にする
  • 細胞溶解⇒体内に物質と協力しながら細菌の細胞を破壊する
  • 炎症の誘発⇒炎症を誘発して異物から体を守る
ユーザー

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も、体内に抗体があれば発症を防ぐことができますか?

ICheck

抗体にはIgMとIgGの2種類があります。

IgM抗体は感染してから1週間くらいで現れ、IgG抗体は少し遅れて現れ、その後数年間は体内に残ります。

多くの感染症はそれで感染を防ぐことが可能ではありますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の場合はIgG抗体がどれくらいの期間体内に残るのかは不明です。

しかし、抗体があることで感染リスクを低下させることは間違いありません。

ワクチンは抗体を利用したもの

ユーザー

ワクチンは抗体を利用したものだと聞いたのですが、どういう意味でしょうか?

ICheck

インフルエンザが流行する前に予防接種ワクチンを受ける方も多いかと思いますが、これは抗体を意図的に体内に作りだし、病気を予防するというものです。

ユーザー

抗体は獲得免疫だから、体内に病原体が入らなければ作ることはできませんよね?

ICheck

その通りです。

例えばインフルエンザの予防接種の場合、症状が出ない範囲の弱いインフルエンザウイルスを体内へ投与し、そのインフルエンザウイルスに対抗して抗体が作られます。

そうすると、すでに体内に抗体ができている状態になりますので、外から本物のインフルエンザウイルスが体内侵入してきたとしても、素早く排除する働きをしてくれるのです。

ユーザー

予防接種をしてもインフルエンザに感染することがあると聞いたのですが、体内に抗体があるのに感染するのは何故ですか?

ICheck

鍵と鍵穴の話を先程しましたが、体内に作った抗体が反応するインフルエンザ抗原でなければ効力を発揮しません。

インフルエンザAには反応できるが、インフルエンザBには対抗できないというわけです。

ウイルスは形を変えていきますので、インフルエンザの予防接種を受けたからといって、その年に流行るインフルエンザウイルスに100%感染しないという保証はないのです。

まとめ

抗体の仕組み、働き方、ワクチンの仕組みについて紹介してきましたが、参考になりましたか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響により、以前よりも抗体に関する知見が深くなってきました。

今自分が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗体を持っているのかどうかは、皆さんが知りたいことでしょう。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大を防ぐという意味でも、抗体の知識を身に付けておくことはとても重要です。

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